あわじ国

朝、トレーラーハウスを出てそのまま他の視察に行くかと思っていたら、

近くにあるテニスコートで川上課長とテニスをすることになった。

俺が昨日、カツ丼をふるまったのがよかったんだろうか。

やけに上機嫌で、今朝なんか川上課長が朝ごはんをつくってくれた。

いやまあ、正直おいしかったけど、これまで俺に対する態度や立ち居振る舞いがひどかったから、

やさしすぎるのが気味悪かった…。

毒でも入ってるんじゃないかと思ったけど、

幸いなことに、体調は今も悪くはない。

テニスは、軽く汗を流す程度にと思ってやってみたが、

最近、体を動かすことがあまりなかったから、すごくスッキリした。

それにいつもの川上課長なら、絶対テニスなんか誘わないし、

誘われたとしても、意地の悪いプレーとかされそうだけど、

今日はそんなこともなく、楽しくラリーが続くようにやさしく打ってくれた。

本当に、不気味だ。

そもそも、俺は独立反対派ではないし、かといって、賛成派でもない。

官房長官から強制的に、賛成派ということにされているだけで、

広報大臣を任命されているだけ。

とりあえず、いつまでこの広報大臣が続くのか？という

先の見えない不安があるだけで、独立したらそれはそれで面白いと思うし、

しなかったらしないでいいと思う。

そんなことを考えながら、テニスをやっていたら

いつの間にか夕方くらいになっていた。夢中になってやっていたんだろうな。

温泉があると知って、汗を流してから帰ることにした。

これも、川上課長のお誘いだ。

ますます怖くなったけど、温泉は気持ちよかった。

川上課長も気持ちよさそうだったが、

なんだかカバがお湯に浸かってるみたいだった。

これを言ったら、また意地悪されそうだけど。

なんだか、不思議な2日間だった。