30 SPOT
6
食
島に伝わる味!
伝統の素麺作りに密着!
[素麺]
- トップページ
- あわじ国 30の魅力
- 島に伝わる味!伝統の素麺作りに密着!
あわじ国 30の魅力紹介
今回は、あわじ国の伝統を感じることのできる味「素麺」の魅力を紹介します。
あわじ国には昔からおいしい食材が溢れていますが、その中でも特に面白い存在なのが「素麺」です。
一見すると、素麺なんてどこで作っても同じように見えないですか?
でも、違うんです。淡路島の素麺は特別なんです。
[登場人物] その秘密を、素麺作りの達人、森崎英毅さんに聞いてきました。 |
□さっそくですが、なぜ淡路島では素麺作りが盛んになったのでしょうか?
森:昔は漁師が副業でやってたんやな。帆船とかの時代や。
船にエンジンがないような時代は天候が悪いと海に出られんかったし、あとは冬の季節とかにも盛んやったんやな。
□淡路島は素麺作りに適した土地だったんですか?
森:あー、そりゃあもう外で自然のままで素麺作るには淡路島は一番ええんよな。最高の環境。
温暖で気候が良いし、海に囲まれているから良い塩も手に入りやすかったんやね。
□いつ頃から盛んになったのでしょうか?
森:江戸時代末期とか、明治時代とか、まぁ昔のことなんで、よう分からんけど、250年くらいにはなるらしいわ。
うちもワシで4代目いうことらしいけど、古いことは聞いてないし、もしかしたら5代目かもしれんな(笑)。
□昔はもっと賑わっていたのでしょうか?
森:大正時代には素麺作っている家が130軒くらいあったらしいわ。
今はもう14軒まで減ってしもたけどな。
ワシが子どもの頃は、この辺りはどこの家も素麺の旗がたってたなぁ。
□淡路島の素麺作りの特徴は?
森:淡路島の素麺は、作り方が独特というか、よそとはだいぶ違いますなー。
いまだに昔ながらの作り方で、機械を使わんと“はし”で延ばして、地熱で熟成させたりしとる。
こうやって床板を外して、ここで一晩寝かせるんですよ。
土地が熱を持っているので、ここで熟成させるんですけど、こんな室(むろ)でやっとんのは淡路島だけですわ。
□今もお仕事中のようですが、今夜もここで寝させるんですか?
森:そうやな。二日間の工程があるんやけど、今日は一日目やからこの後寝かせます。
淡路島の作り方やと朝早く起きて作らないといけないので、キツイんですわ。せやから後継者が続かない(笑)。
□ちなみに、何時頃に起きて作業されるんですか?
森:2時30分や。
□2時30分!?深夜のですよね?
森:そうやで。朝の2時30分。そやから後継者が続かへんねん。
今日も19時までやって、ご飯食べて風呂入ってちょっと寝たらまた仕事や(笑)。
□それは大変ですね!それが昔ながらの作り方なんですね?
森:ほんまの昔からのやりかたやな。
時間はかかるし、量もようせんさかいに、一番どんくさいやりかたや。
もう淡路島くらいですわ、昔の素麺作りに近いやりかたしてんのは。
よそやったらこれも全部自動やわ。
日本中で一番手延に近いやりかたちゃうかな。
原始的な、一番どんくさいやりかたやわ(笑)。
□ちなみに素麺作りに用いる材料というのは?
森:小麦粉と塩と水。これだけやな。
□さっき塗られていた油は?
森:油は混ぜへんよ。塗るだけ。綿実油(めんじつゆ)って言って、岡村製油さんから買いよる。
小豆島はゴマ油を使っているとか、地域によって違うみたいやな。
□作り方も地域によって違うんですね?
森:淡路島の素麺は練り方も違うな。練りによってコシが全然違うねん。
あとは寝かす時間やな。熟成の時間とかは個人個人違っていて、それがそれぞれの家庭の味やったりする。
□個人個人によって違いはあるものの、淡路島の素麺として、品質は統一されている?
森:淡路島の素麺作りは、毎年、10月1日から翌年の4月30日までしかしたらあかんのや。
これは淡路手延素麺組合で決めている。
定休日とかもあるけど、やっぱりこれは品質のためやな。ぬくい時にやったら味が落ちる。油も使うしな。
九州なんかは年中作ってるらしいけど、淡路島は作ってもいい期間が決まっているな。
□直接買いに来るお客さんもいたりしますか?
森:おぉ、おるよ。昨日も来てたし、都会からも直接ここまでふらーっとな。
百貨店とかにも卸してるし、中元などで毎年買ってくれる人も多いな。
インターネットでも買えるように息子がしてくれたから、そこを見てくれたら色々載ってるよ。
□ありがとうございました!お仕事中に失礼しました!
ということで、淡路島伝統の素麺作りの最中にお邪魔して取材させていただきました。
手間暇かかる昔ながらの作り方を、「一番どんくさいやり方やけどな」と自嘲気味に笑う達人の笑顔がかっこ良くて印象的でした。
この伝統や味がこの先も長く続いて欲しいなと思いますが、それにはどうすればいいのか…
少なくとも、今この時代なら食べることができる淡路島の素麺をお腹いっぱい食べてから考えることにします!
皆さんも、あわじ国を訪れた際は、ぜひお土産に素麺を買って帰ってくださいね!
あわじ国の気候や伝統でしか出せない味をきっと感じていただけると思います!!
[素麺]
森崎製麺所 |
「世界が羨む」あわじ国 30の魅力紹介