30 SPOT
23
文化・歴史
外国人美女が聴く!
伝統のだんじり唄!!
[阿万のだんじり]
- トップページ
- あわじ国 30の魅力
- 外国人美女が聴く!伝統のだんじり唄!!
あわじ国 30の魅力紹介
今回は、あわじ国の阿万地域に伝わる祭り
『阿万のだんじり』の魅力を紹介します。
あわじ国の阿万地域には少し変わった風習があります。
毎年春に亀岡八幡神社で開催される春祭り『阿万のだんじり』。
だんじりと言えば、猛々しい大阪岸和田のだんじり祭りなどが有名ですが、『阿万のだんじり』の特徴は、なんと『唄』!
祭りの中で、地域に伝わる唄を祭りの参加者たちが唄い、神様に奉納するというのです。
あまり聞いたことのないこの変わった伝統を詳しく知るべく、亀岡八幡宮宮司の『前川さん』にお話を伺ってきました。
また、今回は『あわじ国』の文化を世界中の人に知ってもらおうということで、日本国在住の外国人モデルであり、また英語の教師でもある『ミーゲンさん』にインタビュアー役をしてもらいました。
外国人の方に、『あわじ国』の文化・風習はどのように感じられたのでしょうか。
[登場人物] 日本在住の外国人モデル『ミーゲンさん』。神戸で英語の教師もされています。 |
まずは神前にご挨拶を済ませてから、宮司の前川さんの元へ。
■よろしくお願いします!これが、祭りのときの写真ですか?
前:そうですね。祭りのときに餅を放ったり、唄を歌ったりするんですけど、そのときの写真です。
■祭りは毎年春に開催されるのですか?
前:農村というのは春と秋なんですよ。収穫や植え付けの季節に合わせて、成長を祈願したり収穫の感謝祭をしたりしますね。
具体的には4月の第3日曜日です。
■『阿万のだんじり』では唄を歌うそうですが、その風習はどういったものなのでしょうか?
前:村に伝わっている『だんじり唄』というのがあります。それを神前で唄って奉納するんですね。
■『だんじり唄』というのは?
前:明治、大正、昭和と、ここの村人が作った唄なんですよ。浄瑠璃の台本なんかを基にして作ったんやけど。
全部自分たちが作った唄だから、みんな唄えるんですよ。お師匠さんもおるし、ずっと伝わってきているもんだから。
■それを奉納するんですね。
前:唄う前に神前に向かって一礼します。「自分たちの村は今からこの唄を奉納させていただきます」と言って、「奉納するので今年一年の生活が安全で暮らしが向上しますようにご加護をください」という意味を込めての神前の奉納ですね。
■唄にはいくつか種類があるんですか?
前:はい。この紙に書いてあるんですけど、どの曲がええか話し合って、得意な唄とかもあるし、その中から奉納する唄を選んで練習するんです。
■練習?祭りに向けて唄の練習をするんですか?
前:1ヶ月…、いや1ヶ月半くらい前から練習しますね。
『だんじり唄』を唄うための声を出すために普段なにをするかというと、まず海に行きます。それで鳴門に向かって「あーー!!」と声を出す。そうすると、喉が潰れるんです。潰れたらようやく唄える声になるんです(笑)
■すごいですね(笑)『だみ声』に近い感じですか?
前:最初は潰れるんですけど、そのうちにだんじりのええ声が出るんです。
今ではそう簡単に聞けないけど、前にだんじりコンクールの審査委員長をやってた人の声を聞かせてもらったときは「ああ、これがだんじり唄か」と思う声でしたよ。今の人は喉からしか声出てないもんなぁ。一生懸命練習してくれとるけどね。
■練習はどうやって行われるんですか?
前:昔はカラオケなんてなかったでしょう。宴会の席なんかではみんな『だんじり唄』を披露するんですよ。手拍子が始まって、最初の端唄のところをやって、盛り上がっていって唄になるんです。
あとはお師匠さんのところに行って教えてもらったりね。
■では、上手い下手というのもある?
前:ありますよ。それに唄によってはこの町内の人しか歌えない唄とかっていうのもあります。人気がある唄のときは必ず人がいっぱい集まってきますね。
■地域に根ざした文化なんですね。
前:淡路のだんじりを廃れさせたらいかんということで、コンクールも開催しています。
祭りが終わった後でもそれを披露する機会を作っていこうということでやってます。
■唄う人というのはどうやって選ばれているんですか?
前:自分たちの町内から40歳くらいまでの人を選んでやってます。
大体40歳になったら引退ですね。その人たちばっかりだったら次が育たないので。
■若い子は何歳くらいから?
前:この辺は25歳くらいからかなー。それぞれの町内で事情が違いますので、大体30歳くらいの子が中心になってやってますね。
■最初は怒られたりもしながら覚えていくんですか?
前:そうですね。体で唄うというか、頭で覚えてたらあかんのですよ。
最初はものすごい言われますよ。「何しとんのや!」って。どういうふうに感情を込めて抑揚をつけていくのか、こういうストーリーをどう思っているのか、「お前わかっとんのか?」「もういっぺんやってみい!」とか、最初は厳しいな。
■厳しい世界なんですね。
前:「参加できてよかったな」じゃ困るんですよ。やっぱり気持ちを込めて祭りに参加してもらわないといけない。
昔はみんなネクタイして参加してましたしね。
■そうなんですね!
前:だんじり引っ張るのもネクタイです。ネクタイして奉納唄を唄って。
■唄の内容というのは?
前:浄瑠璃の台本を使って、それを唄っていきよるんですよ。
例えば『忠臣蔵』だと、雪の中での別れのシーンや、最後の打ち取るシーンとか。
浅野内匠頭が斬りつけたところで止めたシーンで「なんで止めたんや」というところで、止めた人間が悔いるような唄を入れたりして、それを15分くらいで構成するんです。
■物語になっているんですね。では、掛け合いのようなものも?
前:やりますね。最初はなかったけど、「こんなのも入れたらどうだ?」とか「ここはみんなで唄おう」とか、例えば殿中のシーンだと「なんで止めたんや!」「なんと愚かな!」とかそんな言葉を入れて掛け合いをする。
そういう工夫を入れてどんどん成熟していったのが、今のだんじり唄ですね。
■面白そうですね!ぜひ見てみたい!!
前:4月にぜひ来てください。
ということで、ミーゲンさんが『阿万のだんじり』について、宮司さんに話を聴いてきました。
この他にも、亀岡八幡宮の境内には様々な見どころがあり、淡路島の名産『たまねぎ』を祀った、日本に1つしかない『たまねぎ神社』もあるそうです。
その土地から自然発生的に生まれた文化を大切に伝承しつつ、将来に向けて残していくための様々な活動もされているとのことです。
『あわじ国のオペラ』とも言える『阿万のだんじり唄』。
浄瑠璃の台本を町内の人たちで磨き作り上げた唄を、神前で力強く唄うその姿は、他の場所では決して見ることのできない特別なものです。
今年の春祭りの日にはあわじ国を訪れて、だんじり唄に聞き惚れてみてはいかがでしょうか?
[阿万のだんじり]
〒656-0541 |
「世界が羨む」あわじ国 30の魅力紹介