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[上立神岩]
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あわじ国 30の魅力紹介
今回は、国生み伝説の舞台とも伝わる
『上立神岩(かみたてがみいわ)』の魅力を紹介します。
あわじ国の南にある島『沼島』にある巨大な岩、『上立神岩』。
ここは、イザナギとイザナミがオノコロ島に降り立ち、巨大な柱の周囲をまわって婚姻を行ったという『天の御柱』だと言われており、日本列島が生まれるきっかけになった場所として、多くの観光客が訪れるスポットです。
また、江戸時代の百科事典『和漢三才図会』には、あの有名な『浦島太郎』に登場する『竜宮城』の表門にあたる場所であると記されています。
そんな数多くの伝説が眠る場所『上立神岩』について、沼島のボランティアガイドチームを立ち上げた神宮寺住職、中川さんに案内をお願いしました!
[登場人物] 神宮寺住職で、観光ボランティアガイド「ぬぼこの会」の会長、中川さん。 |
沼島の歴史についてお話を聞くべく、中川さんが住職を務める神宮寺へ。
(神宮寺は、沼島総合観光案内所『吉甚』の前にあります。)
■本日はよろしくお願いいたします!
中:はい、よろしくお願いします。沼島ははじめてですか?
■はい!さっそくですが、立派なお寺でビックリしました。
中:小さな島にある寺ですけど、珍しい曼荼羅があったり、
(鎌倉時代後期の貴重な資料として、兵庫県指定重要文化財に指定されているそうです)
この庭園も本でご紹介いただいたりする庭なんですよ。
■ほんとだ!金閣寺や龍安寺なんかと並んで載ってますね。
中:斜面の岩盤も生かして構成されていて、珍しい庭園なんですよ。
沼島をご案内するときは、ここでまず沼島の歴史的な背景なんかもお話させていただいて、
その上で色々とご案内していっています。
■上立神岩は、船に乗らなくても見に行ける場所にあるんですか?
中:歩いても行けますよ。
じゃあ、上立神岩を目指して、歩きながら話しましょうか。
■沼島は、静かで良いところですね。
中:昭和22年頃は人口も2900人ほどいたんですけど、今は500人くらいにまで減ってしまいましたね。
昔のような賑わいはなくなってしまったかもしれませんね。
■中川さんは、なぜボランティアガイド『沼島 ぬぼこの会』を立ち上げられたんですか?
中:島の人口が減っていく中で、島にいる人にも島を出た人にも、まず郷土に誇りをもってもらいたくてというのが一番ですね。
また、観光によって離島航路を守らないといけないというのもあります。
人口流出を止めるのは難しいかもしれないですけど、仕事や病院などで島の外に出る人たちのためにも、沼島への航路を守らないといけない。
それには観光の力が必要だと考えたので、ボランティアで観光案内をさせてもらっています。
■やはり人口流出はどこでも深刻な問題なんですね。
中:ただ、少し自慢なのは、全国の離島航路の中で、沼島だけは利用者数が増えているんですよ。
島の外から人が来てくれる場所ということで、島を出た人にも誇りをもってもらえたら嬉しいですね。
■なるほど。それにしても、自然が多くて気持ち良い道ですね。
中:今歩いている道が上立神岩への最短ルートですね。
神宮寺から20分くらいですかね。
■ウォーキングにちょうど良い感じの道ですね。
中:山歩きやウォーキング目的で訪れる人も多いですよ。
普段は島を半周するコースなどをご案内しています。
この環境の中で、自分の足で歩いて、考えて、そういう時間を過ごせたらいいですね。
■上立神岩を目的に来られる方も多いですか?
中:そうですね。岩の中心部にハート型の窪みがあるんですけど、そこの写真を撮りに来る若い女性なんかも多いですよ。
■神話の中でイザナギ、イザナミが婚姻を行った『天の御柱』だとも言われていますね?
中:そうですね。国生み伝説で有名な場所です。
ただ、最近は地質学的な観点でも注目を浴びているんですよ。
■といいますと?
中:鞘型褶曲(さやがたしゅうきょく)って聞いたことありますか?
地中のプレートが運動することで作られる極めて珍しい岩石なんですけど、それが沼島で見つかったんですよ。
カナダとフランスと沼島、世界に3箇所だけでしか見つかっていないんですけど。
■はい。調べてきました。
中:あと、奈良県にある桜井茶臼山古墳でも、天井に使われている石が沼島の石だということが解ったんですよ。
卑弥呼の次の代から沼島の石が使われていたようです。
■それは知りませんでした!
中:この辺りの地質が他とは違うみたいなんですよ。
普通は堆積して土地が生まれていくんですけど、沼島は地下の深いところから地層が盛り上がって生まれている土地なんだそうです。
地中のプレートが沈み込みする中で、柔らかい部分が盛り上がって外に出てくることがあるらしいんですけど、それが沼島の辺りなんです。
■興味深いお話ですね。
中:大昔から、わざわざ離れた沼島の石を古墳に用いているというのも、もしかしたら古代の人はこの土地になにかしらの意味合いを見出していたのかもしれないですね。
■面白いですね。沼島の岩や土地に、神秘性のようなものを感じていた可能性があると。
中:神話の中で沼島や淡路島が特別な位置づけにあるというのもそうですし、昔から淡路島は『御食国』として有名だったようですが、なぜ『御食国』となったのか、その背景まで考えてみると面白いですよね。
■もしこの辺りの土地に特別な神秘性を感じていたとしたら、そこで採れた食材に対しても特別な価値を感じますよね?
中:地質学的に注目を浴びている場所でもあるので、これからも色々解ってくると思います。
■いやー、凄く面白いです。あっ!海に出ますね。
中:はぁー、坂道で疲れましたね(笑)
■うわぁぁぁ!!凄い!!これは絶景ですね!!
中:そこの坂を下った先に、上立神岩がありますよ。
■おおおおぉぉぉ!これですね!!なんて雄大な姿!!
中:はい。今は30メートルの高さがあるんですけど、私が子どもの頃はもっと大きかったんですよ。
岩の上に松の木なんかもあって。
台風の影響などを受けて形は少しずつ変わっていきますね。
■つまり、この姿は今しか見ることができないということですね!目に焼き付けておきます!!
今日は、本当にありがとうございました!!
片道30分にも満たない道でしたが、適度な坂道と、たっぷりの自然と、心地よい潮風を浴びながら、
とても楽しい取材となりました。
この他にも神話についての説明や、沼島の暮らし、さらには元教師の中川さんの昔話なども聞けて、
本当に貴重な時間を過ごすことができました!
これは楽しい!ただ観光地を見て終わりという旅をするよりも、その背景にある物語を探りながら歩いていく旅。
これまでとはまるで違う体験です!!
普通の旅に飽きた人、都会の暮らしに疲れた人、どんな人にも新鮮な体験となると思います。
沼島と上立神岩を目指して、この週末は、あわじ国を訪れてみてくださいね!!
[上立神岩]
〒656-0961 |
「世界が羨む」あわじ国 30の魅力紹介